忘れられない夏の香り
2008.09.01 (Mon)
大香ファンサイトが開設されました。
それを記念して、「忘れられない夏の香り」というテーマで
エピソードを今日まで募集中なので、駆け込みで投稿します。
夏の香り・・・
記憶を辿っていくと、
それは冷たい川に足首を浸して遊んだ幼い頃の思い出だったり
中学生の頃、夏休みの部活動で真っ黒に日焼けしていた
テニスコートの乾いた土の香りだったり
意外と夏って香りの記憶は残っているものです。
14年前の夏の朝に食べた完熟の桃の香り
です。その頃、第一子を妊娠中の私は、実家での里帰り出産のために
つい2週間前に産休に入り、実家へ来て一週間経った早朝
突然の腹痛に襲われました。
当時、恥ずかしながら、一週間ほど便秘をしておりまして
たぶん、その腹痛だと思い込んでおりました。
だって、つい数日前の健診では、「順調です」と言われてきていたので。
だんだん腹痛が酷くなりだして、それでも家族の誰一人として
まさか、それが陣痛だと思わなかったんです。
「一応、予約はしていないけど病院に行って見て貰って来たら?」と
母に言われて、なんとか出された桃だけをほおばって
父の出勤に合わせて車で病院まで送ってもらったんです。
今思えば、ホント、陣痛なんですよ。あの痛みは!!
でも、その痛がっている様子が、出産経験のある母にさえ
「もしかしたら、陣痛?」と察して貰えるほどではなかったのかも。
私、我慢強いんです。(笑)
結局、予約なしで産婦人科外来へ行き
ずうずうしい妊婦だなぁ〜と思われるのを承知で
どんどん酷くなる痛みに、何とか早めにみてもらえるようにお願いしました。
一回目は、軽く
「ハイ。では待っててね
」と言われ椅子に座って待ち続けること15分。
その間、脂汗は出るわ、じっと座っている事も難しく
そろそろ、我慢できる範囲を超えてきたころ
もう一度、飛び入り診察催促のお願いをしました。
そして、ようやく、見てもらえる事に。
いざ診察台に乗った途端、医師や看護師さんがザワつき始めました。
「これは大変だ!子宮口全開だ!!
すぐに分娩室へ連れて行って!!」
それからは、もうバタバタでした。
車椅子に乗せられ、看護師さんに励まされながらの移動。
「大丈夫だからね。一ヶ月早くてもちゃんと育つから!
よく(痛みに耐え抜いて)頑張ったね〜。」などと
とっても安心出来る言葉をずっと掛けてもらいながら
私は移動中ずっと目を閉じていました。
「えっ?これが陣痛だったの?まさか、だってまだ予定日まで一ヶ月も・・・。
それに、健診では何も言っていなかったし。
でも、もう生まれてくるんなら、ハラを決めなきゃな!!」
こんな事をグルグル考えながら、分娩室に誘導されました。
もう、あっという間の出来事でした。
早産ゆえのハンデなどもあり、パパだけが医師に呼ばれたり
私はショックを受けるだろうからと、3日間我が子に対面出来なかったりと
ちょっと複雑な初産になりましたが、
あの朝食べた桃の香り・・・忘れられません。
その時生まれた長男は今ではもうバリバリ元気な14歳に成長しましたので。
夏になる前から真っ黒に日焼けした肌に白い歯がやけに目立つ
そんな野球少年でございます。
初夏に出回り始める桃を見るたびに思い出す
あの夏の忘れられない甘い香りです。



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